すきっ歯は歯列矯正で治す!費用や治療期間をわかりやすく解説

前歯のすき間が気になって「笑うのが恥ずかしい」と感じていませんか?
すきっ歯は見た目のコンプレックスだけでなく、滑舌の悪さや虫歯・歯周病の原因になることもあります。
気になるすき間は、歯列矯正で整えることが可能です。
この記事では、すきっ歯の原因から、矯正で治す方法、装置の種類、費用や期間の目安までをわかりやすく解説します。
実際の症例写真も紹介しているので、治療を検討している方はぜひ参考にしてみてください。

平井一孝
グレイス歯科・矯正歯科理事長。日本大学歯学部保存学科を修了後、同大学の大学院にて歯学博士を取得。 「患者さんの想いに応える」ことをモットーとして、2015年にグレイス歯科・矯正歯科を開業。現在では東京都町田市を中心に3院を展開し、総合歯科治療を提供しています。
目次
- すきっ歯とは?
- すきっ歯の原因は?
- すきっ歯を矯正した方がいい3つの理由
- ①滑舌が悪くなる
- ②食べ物がうまく噛めない
- ③虫歯・歯周病になるリスクが高まる
- すきっ歯を矯正する方法
- 全体矯正|奥歯から歯列を整える方法
- 部分矯正|前歯だけのすき間に特化した方法
- すきっ歯の歯列矯正で使われる4つの装置
- ①ワイヤー表側矯正
- ②ワイヤー裏側矯正
- ③ハーフリンガル矯正
- ④マウスピース矯正
- 矯正ですきっ歯を矯正した症例
- 症例①:全体矯正/66万円/5ヶ月
- 症例②:部分矯正/33万円/3ヶ月
- 【目的別】すきっ歯の矯正方法の選び方
- 短期間・低コスト▶マウスピース矯正・表側矯正の「部分矯正」
- 奥歯から完璧に治したい▶表側矯正の「全体矯正」
- 人目が気になる▶マウスピース矯正or裏側矯正
- 通院を減らしたい▶マウスピース矯正
- すきっ歯矯正の費用に困ったら「デンタルローン」
- すきっ歯の矯正に関するよくある質問(FAQ)
- 子どものすきっ歯は矯正したほうがいいですか?
- すきっ歯を矯正すると顔は変わりますか?
- すきっ歯を矯正したら後戻りはしませんか?
- すきっ歯を埋めることはできますか?
- あなたに適したすきっ歯の矯正方法を相談してみよう

すきっ歯とは、歯と歯の間にすき間がある状態のことを指し、特に上の前歯に現れやすいのが特徴です。
医学的には「空隙歯列(くうげきしれつ)」や「正中離開(せいちゅうりかい)」と呼ばれることもあります。
見た目の印象に大きく影響するため、笑ったときや話したときに気づかれやすく、コンプレックスとして悩む方も少なくありません。
すきっ歯は、あごや歯のサイズバランスの問題や、日常の癖、遺伝的要因などによって起こります。
以下はすきっ歯の代表的な4つの原因です。
①あごと歯のサイズバランスが合っていない
②歯の本数が少ない
③上唇小帯の付着異常
④生活習慣の悪癖
以下でそれぞれの原因について詳しくみていきましょう。
①あごと歯のサイズバランスが合っていない
歯が並ぶためのスペース(あご)と歯の大きさにバランスのズレがあると、歯と歯の間にすき間が生じやすくなります。
例えば、あごが大きくて歯が小さい場合や、歯の位置がずれている場合はすきっ歯になりやすいです。
このような歯とあごのバランスの問題は、生まれつきの骨格や歯の大きさによる影響が大きな要因のひとつ。
また、歯やあごのサイズだけでなく歯の形が細長い場合も、すきっ歯になることがあります。
②歯の本数が少ない
永久歯は、親知らずを除いて上下28本が正常です。
しかし、生まれつき歯の本数が少なかったり、生えるはずの歯が歯茎に埋まったまま生えなかったりする場合も。
いずれの場合も、生えてくるはずだった場所にスペースが余るため、すきっ歯になってしまいます。
③上唇小帯の付着異常

前歯の中央にあるスジ(上唇小帯)が長く、歯と歯の間まで入り込んでいると、前歯のすき間ができることがあります。
上唇小帯は成長とともに短くなるのが一般的です。しかし、まれに自然に縮まらず歯間に残るケースも。
上唇小帯の付着異常が原因で、すきっ歯になっている場合、上唇小帯の切断を検討する必要も出てきます。
④生活習慣の悪癖
舌や指で前歯を押す癖があると、徐々に歯が前方に押し出され、すき間ができてしまうことがあります。
すきっ歯を引き起こす代表的な癖は、以下のとおりです。
舌で前歯の裏側を押す
指しゃぶり
下唇や爪を噛む
頬杖をつく
特に「舌で前歯の裏側を押す癖」によって、すきっ歯の原因になっているケースは多いです。
たとえ、すきっ歯を歯科矯正で治したとしても、癖が残っていると、元の歯並びに戻ってしまう可能性が高まります。
すきっ歯を治すなら、癖もしっかり改善していきましょう。

すきっ歯の原因とは?先天性・癖・骨格などタイプ別に解説

「すきっ歯の見た目が気になる」だけで終 わらないのが、すきっ歯の本当の問題。
発音や咀嚼、口腔トラブルなど、機能面にも悪影響が及ぶことがあるため、放置せず矯正を検討することが大切です。
ここでは、すきっ歯を矯正した方がいい理由を3つに分けて解説します。
①滑舌が悪くなる
すきっ歯の状態だと、歯のすき間から空気がもれるため、滑舌が悪くなります。
特に「サ行」「タ行」、英語の「TH」「S」などは発音がしにくくなりやすいです。
滑舌の悪さは、話すことへのコンプレックスやストレスにつながりやすく、仕事や日常生活に影響が出る方も少なくありません。
②食べ物がうまく噛めない
すきっ歯は噛み合わせにも不具合が出ているケースが多く、食べ物をうまく咀嚼できていないことも多いです。
食べ物をよく噛まずに飲み込むと、胃腸に負担がかかり、十分に栄養を吸収できなくなる可能性も高まります。
また、前歯で噛みにくいため、自然と奥歯に頼りがちになり、片側だけで噛む癖がついてしまうことも。
その結果、あごや筋肉のバランスが崩れ、頭痛・肩こり・顎関節の不調にまで発展するケースもあります。
③虫歯・歯周病になるリスクが高まる
歯と歯の間にすき間があると、歯ブラシが届くにくいため、汚れが溜まりやすいのもデメリットです。
汚れをそのままにしておくと、虫歯や歯周病、口臭の原因になります。
歯間ブラシやフロスを併用したり、歯科クリニックでクリーニングをししもらうなど丁寧なケアが必要です。
また、歯科矯正ですきっ歯を整えて、歯磨きしやすい状態にすると良いでし ょう。
すきっ歯を改善する矯正方法には、「全体矯正」と「部分矯正」の2つがあります。
それぞれ適応できる症例や費用・期間に違いがあるため、自分に合った治療法を選ぶためにも特徴を知っておくことが大切です。
全体矯正|奥歯から歯列を整える方法
全体矯正は、奥歯を含めた歯並び全体を整える矯正方法です。
軽度から重度まで幅広い症例に対応できます。
見た目だけでなく噛み合わせも改善できるため、奥歯から完璧に整えたい方に向いている方法です。
歯を動かす範囲が広い分、部分矯正と比べて費用が高額になり、治療期間が長くなる傾向にあります。
全体矯正の目安費用:60万~170万円
全体矯正の目安期間:1~3年程度