歯並びが悪いのを自分で治すことは可能?リスクと対策を解説

「歯並びを自分で治せないかな…」と考えたことはありませんか?
SNSやネット上には、割り箸やゴムを使った“自力矯正”と呼ばれる方法が紹介されていますが、これらは医学的な根拠がなく、むしろ歯並びを悪化させてしまう危険があります。
本記事では、自分で歯並びを治そうとすることで起こりうる4つのリスクや、日常生活で歯並びを悪化させる習慣を解説。
さらに、歯並びを改善するために有効な歯列矯正の種類も紹介します。
「費用が心配」「矯正はハ ードルが高い」と感じている方も、まずは正しい知識を得て、自分に合った治療方法を見つける第一歩にしてください。

目次
- 【結論】歯並びが悪いのを自分で治すことはできない
- 「歯並びが悪いのを自分で治す方法」に潜む4つのリスク
- ①歯並びが悪くなる
- ②歯の寿命が短くなる
- ③歯が抜けてしまう可能性がある
- ④頭痛・肩こり・顎関節症の原因になる
- 歯並びを悪化させる習慣
- 爪を噛む
- 歯ぎしり・食いしばり
- 頬杖
- 口呼吸
- 舌癖
- 悪い歯並びを治すには「歯列矯正」がおすすめ
- ワイヤー矯正:重度の症例や複雑な症例に対応
- マウスピース矯正:軽度〜中度の症例に対応でき、目立たない
- セラミック治療:短期間で見た目を整えたい人に
- 「歯並び悪いのを自分で治す」に関するよくある質問(FAQ)
- 歯並びは押したら治る?
- お金がないけど歯を治したい。どうすればいいですか?
- そもそも治療が必要な歯並びとは?
- 歯並びが悪いのは自分で治そうとせず、専門家に相談を!

歯並びは、自分で治すことはできません。
歯を正しく動かすには、噛み合わせや骨格のバランスなどを総合的に判断する専門的な知識が必要です。
市販のマウスピースなどを使って間違った力を加えると、かえって歯並びを悪化させたり、歯や顎にダメージを与えるおそれがあります。

インターネットやSNSでは、割り箸やゴムを使った“自力矯正”と呼ばれる方法が紹介されていることがあります。
しかし、これらは歯科医の監修がない、根拠のない危険な行為です。
ここでは、自力で歯並びを治そうとした場合に起こりうる4つの代表的なリスクを紹介します。
①歯並びが悪くなる
自分で歯並びを治そうとすると、かえって歯並びが悪化する可能性があります。
なぜなら、歯科矯正には噛み合わせや顎の骨の状態をふまえた専門的な診断と、歯にかける力の細かいコントロールが必要だからです。
こうした知識や技術がないまま、割り箸を噛む、ゴムで歯を締めるなどの自己流の方法を試すと、歯が誤った方向に動き、噛み合わせまで崩れてしまうおそれがあります。
その結果 、見た目の問題だけでなく、食事や発音に支障をきたす可能性もあるため、自力での矯正は避けるべきです。
②歯の寿命が短くなる
誤った方法で歯を動かそうとすると、歯の寿命を縮めてしまうリスクがあります。
矯正治療では、歯やその周囲の骨に適切な強さの力を継続的にかけることで、安全に歯を動かします。
しかし、自己流の矯正では、力の方向や強さを正しく調整することができません。
その結果、歯や歯根に過剰な負荷がかかり、歯の根が吸収されたり、歯を支える骨がダメージを受けたりすることで、将来的に歯がぐらついたり抜け落ちやすくなってしまいます。
③歯が抜けてしまう可能性がある
自己流の矯正を行うことで、最悪の場合、歯が抜けてしまうおそれがあります。
歯は、歯根(しこん:歯の根)とその周囲の歯槽骨(しそうこつ:歯根を支える顎の骨)によって支えられています。
正しくない方法で強い力を加えると、この支えが壊れ、歯が抜け落ちる原因を作ってしまうのです。
特に市販のマ ウスピースなどで無理に歯を押したり引いたりする行為は、歯茎の炎症や骨の破壊を引き起こす原因になりかねません。
一度失った歯は元に戻らず、入れ歯やインプラントなどの高額な治療が必要になるケースもあるため、自力で歯を動かす行為は絶対に避けましょう。
④頭痛・肩こり・顎関節症の原因になる
自力で歯を動かすことで、頭痛や肩こり、顎関節症などの体の不調を引き起こす可能性があります。
噛み合わせは、全身の筋肉や骨格のバランスに影響を与える重要な要素です。
自己流で歯を動かして噛み 合わせが崩れると、顎の関節に過剰な負担がかかり、顎関節症を発症するリスクが高まります。
さらに、噛み合わせのズレは首や肩まわりの筋肉にも影響し、慢性的な肩こりや頭痛につながることも。
見た目の改善だけでなく、体の健康を守るためにも、噛み合わせは必ず歯科医師のもとで適切に管理することが大切です。

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歯並びの乱れは、生まれつきの骨格や歯の大きさだけでなく、日常生活の習慣によっても悪化することがあります。
ここでは、歯並びを悪くする代表的な習慣を5つ見ていきましょう。
爪を噛む
爪を噛む習慣は、歯並びを悪化させる原因のひとつです
爪は非常に硬いため、噛むたびに前歯や歯茎に大きな負荷がかかります。
これを繰り返すことで、歯と歯の間にすき間ができたり、前歯が前に押し出されたりと、歯並びに悪影響を与えることがあります。
ストレスや緊張がきっかけで始まることも多いため、生活習慣の見直しや、爪を噛まないよう意識的に対策を取ることが重要です。
歯ぎしり・食いしばり
歯ぎしりや食いしばりは、歯並びを悪化させる原因になります。
これらは多くの場合、就寝中や無意識のうちに起こるものです。歯に強い力が長時間かかることで歯がすり減ったり欠けたりする原因になります。
また、歯の形が変わることで噛み合わせのバランスが崩れ、結果として歯並びがずれてしまうことも。
特に朝起きたときに顎がだるい、歯が痛いと感じる方は、早めに歯科医院で相談することが大切です。
頬杖
頬杖は、歯並びに悪影響を及ぼす習慣のひとつです。
大人の頭の重さは約5kgあり、頬杖をつくことでその重みが片側の顎や歯に直接かかります。
この状態が繰り返されると、歯列や顎の骨に偏った力が加わり、歯が少しずつ動いてしまう原因に。
また、左右のバランスが崩れることで、顔のゆがみや噛み合わせのズレにつながることもあります。
つい癖で頬杖をついてしまう方は、意識して姿勢を正し、できるだけ控えるようにしましょう。
口呼吸
口呼吸 は、歯並びの乱れを引き起こす原因になります。
歯の位置は、内側からの舌の力と、外側からの唇や頬の力とのバランスによって保たれています。
ところが、口呼吸をしていると口が開いたままになりやすく、唇や頬からの外側の圧力が弱い状態に。
その結果、舌の力が優位になって歯が前方に押し出されたり、圧力のかかる方向に歯が動いてしまい、出っ歯や受け口などの歯並びの乱れにつながるのです。
日常的に鼻呼吸を意識し、必要に応じて耳鼻科での診察を検討しましょう。
舌癖
舌癖(ぜつへき)は、歯並びを悪化させる大きな原因のひとつです。
舌で前歯を押す、上下の歯の間から舌を突き出すといった癖があると、常に歯に不適切な力が加わり、歯が少しずつ動いてしまいます。
上の前歯を舌で押す→出っ歯
下の前歯を押す癖→受け口
また、矯正治療で整えた歯並びが元に戻ってしまう「後戻り」の原因にもなります。
舌癖は無意識に行われていることが多いため、必要に応じて医療機関を受診し、トレーニングを受けることが重要です。

歯並びを改善したい場合は、歯列矯正による治療が最も確実な方法です。
歯科矯正では、歯の状態や治療の目的に応じて複数の方法から選ぶことができます。
ここでは、代表的な3つの治療法について、特徴をわかりやすく解説します。
ワイヤー矯正:重度の症例や複雑な症例に対応
重度の歯並びの乱れや、複雑な症例には、ワイヤー矯正が適しています。
ワイヤー矯正は、歯にブラケットを装着し、ワイヤーで少しずつ歯を動かしていく治療法です。
力のかかり方を細かく調整できるため、前歯だけでなく奥歯や噛み合わせの問題まで総合的に改善することが可能です。また、複雑で難しい症例にも対応できる点もワイヤー矯正のメリットといえます。
見た目が気になるというデメリットはあるものの、確実に歯並びを整えたい方には信頼性の高い治療法といえます。

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マウスピース矯正:軽度〜中度の症例に対応でき、目立たない
見た目を気にせずに歯並びを整えたい方には、マウスピース矯正がおすすめです。
透明なマウスピースを使って歯を少しずつ動かす方法で、装着中も目立ちにくく、周囲に気づかれにくいのが特徴です。
取り外しが可能なため、食事や歯磨きがしやすく、口腔内を清潔に保ちやすい点もメリットといえます。
ただし、歯の移動量が大きい症例や噛み合わせの調整が必要な場合は対応できないこともあり、適応には制限があります。
軽度〜中度の歯並びの乱れで、見た目や快適さを重視したい方に適した治療法です。

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セラミック治療:短期間で見た目を整えたい人に
短期間で歯並びの見た目を整えたい場合は、セラミック治療という選択肢もあります。
セラミック治療は、歯を削ったうえで人工のセラミックをかぶせ、歯の形や並びを整える方法です。
矯正治療のように歯を動かすのではなく、被せ物で見た目を整えるため、比較的短期間で仕上がるのが特徴です。
ただし、健康な歯を削る必要があり、噛み合わせや機能の改善には限界があるため、根本的な歯並びを治療したい場合は別の方法が検討されます。
とにかく見た目重視、そして早く整えたいという方には適しています。

セラミック矯正とは?後悔しない?歯科矯正との違いや費用を解説

歯並びの悩みを抱えている方のなかには、「本当に歯科矯正が必要なのか」「費用が心配で治療に踏み切れない」と感じている方も多いのではないでしょうか。
ここでは、「自力で歯並びを治せないか?」と考えている方から寄せられることの多い質問にお答えします。
歯並びは押したら治る?
指や道具を使って自己流で歯を押しても、歯並びを改善することはできません。
確かに歯はわずかな力でも動きますが、その方向や強さを正しくコントロールしなければ、歯や歯茎、顎の骨に悪影響を及ぼす可能性があります。
自己判断で歯を動かそうとせず、歯科医師の診断を受けることが大切です。
お金がないけど歯を治したい。どうすればいいですか?
歯列矯正は高額な治療ですが、費用を抑える方法もあります。
たとえば、前歯だけを整える「部分矯正」は、全体矯正よりも費用を抑えられるケースが多く、治療期間も短くて済みます。
また、クリニックによっては分割払いやデンタルローンに対応しているところもあり、月々の負担を軽減することが可能です。
まずは無料カウンセリングを利用し、自分の歯並びの状態と費用の目安を確認してみるのがおすすめです。
そもそも治療が必要な歯並びとは?
以下のような「不正咬合(ふせいこうごう)」に当てはまる場合は、治療を検討した方が良いとされています。
出っ歯(上顎前突):上の前歯や上あご全体が前に突き出している状態
受け口(下顎前突):下の前歯や下あごが前に出てい る状態
すきっ歯(空隙歯列):歯と歯の間にすき間がある状態
でこぼこ・ガタガタ歯(叢生・乱ぐい歯):歯が重なって生えていたり、並びが乱れている状態
開咬(オープンバイト):奥歯は噛み合っているのに、前歯が閉じずにすき間があいている状態
過蓋咬合(かがいこうごう):上の前歯が下の前歯を深く覆いすぎている状態
交叉咬合(こうさこうごう):上下の歯の噛み合わせが一部逆になっている状態
これらの歯並びは、見た目の問題だけでなく、噛み合わせ・発音・口腔衛生・顎関節の不調など、さまざまなトラブルを引き起こす原因になるので、なるべく早めに医師に相談しましょう。

歯並びが悪い原因は?│リスク・治療法を解説

歯並びの悩みは、自分だけで抱え込まずに歯科の専門家に相談することが大切です。
自己流で歯を動かそうとすると、歯や顎に取り返しのつかないダメージを与えるリスクがあります。
気になる症状がある場合は、早めに歯科医院で診断を受けることで、将来的なトラブルを未然に防ぐことにもつながります。
「本当に治療が必要なのかわからない」という方は、Oh my teethの無料カウンセリングを活用してみてはいかがでしょうか。
Oh my teethでは、専門家による初回の診断を無料で受けられます。さらに、診断後は原則通院不要なので、忙しい方でも続けやすいのがメリット。
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