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最終更新日:2025年8月12日

歯列矯正の失敗事例7選と原因│失敗しないための対策を解説

【歯列矯正の失敗事例7選】老け顔?歯根吸収?原因や予防法解説

歯列矯正は、歯並びや噛み合わせを整えて口元の印象を大きく変えられる一方で、治療の進め方や選択を誤ると「こんなはずじゃなかった」と思ってしまうこともあります。

たとえば、治療期間の延長や口元の見た目の変化、噛み合わせの悪化、治療後の後戻りなど、実際に起こりうる失敗事例は少なくありません。

本記事では、歯列矯正の代表的な失敗事例7選とその原因、さらに失敗を防ぐためのポイントや対処法を詳しく解説します。

これから矯正を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

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歯科医師

西尾万樹

東京表参道矯正歯科 院長。北海道医療大学歯学部卒業。2018年歯科医師免許取得。旭川医科大学病院口腔外科にて研修後、矯正歯科勤務。2020年コスメコンシェルジュ取得。

歯列矯正の失敗事例7選

歯列矯正の失敗事例7選

歯列矯正は、歯並びや噛み合わせを改善できる一方で、思わぬトラブルが起こることもあります。

ここでは、矯正治療で実際に起こりうる7つの失敗事例を取り上げ、それぞれの特徴を解説します。

①矯正期間が延長した

矯正期間が当初の計画より延びてしまうのは、歯列矯正でよくある失敗のひとつです。

歯が動くスピードは年齢や歯並びの状態によって異なり、想定より治療が長引くことがあります。

特に重度の不正咬合では、動かす歯の本数や距離が多くなるため、治療期間が延長しやすいです。

カウンセリングで提示される期間はあくまで目安と受け止め、多少の延長は想定しておくと安心です。

②口元の印象が悪くなった

矯正後に口元の印象が悪くなるのも、起こりやすい失敗のひとつです。

これは、もともと前に出ていた口元が後ろに下がることで、ほうれい線が目立ったり、顔が面長に見えたりすることで起こります。

こうした変化は、事前に十分な説明がなかったり、患者自身がリスクを理解していなかった場合に発生することが多いです。

そのため、治療後の顔立ちの変化が気になる場合は、必ずカウンセリングの段階で医師に確認しておきましょう。

③顎関節症になった

歯列矯正によって噛み合わせが変わることで、「顎関節症(がくかんせつしょう)」という顎の痛みが発症する場合もあります。

例えば、以下のような症状が現れます。

顎関節症の症状の例
  • カクッと音がする

  • 顎を開けにくい

  • 開けると痛みを感じる

ほかにも、ほかにも虫歯治療の詰め物や抜歯によって、噛み合わせが変化し、一時的な顎関節症になるケースもあります。

矯正によってこのような症状や違和感に気づいた場合は、すぐに担当のドクターに相談することが大切です。

④歯根吸収や露出が起こった

歯列矯正では、まれに歯根吸収や歯根露出といったトラブルが起こることがあります。

歯根吸収は、歯茎に埋まっている歯の根元が短くなったり形が変わったりする症状で、必要以上の強い圧力をかけて歯を動かした場合に発生します。

また、歯茎が下がって歯根が見えてしまう歯根露出も、矯正力が強すぎる場合や歯の移動距離が大きい場合に生じることが多いです。

ただし、こうしたケースは非常にまれなので過度に心配する必要はありませんが、心配な場合は事前に医師に確認しておくと安心です。

⑤歯の中心(正中)がずれた

歯列矯正後に、歯の中心である正中がずれるケースもあります。

基本的に、歯科矯正はバランスに影響が出ないよう、顔の正中と歯の中心は揃えることが多いです。

しかし、上下の歯の本数や大きさの違いによっては噛み合わせのバランス優先で、あえて正中の位置を揃えない治療方針を取る場合があるのです。

正中の位置を揃えないと言っても、多くの場合ではそのズレを2ミリ以内に収めるので、見た目への影響を最小限にするよう医師もつとめています。

しかし、少しでも正中のズレが生じるのは嫌だという人もいるでしょう。

このようなケースもあることをカウンセリング時に事前に確認しておくと安心です。

⑥噛み合わせが悪くなった

歯並びの見た目だけを重視して治療を行うと、噛み合わせが悪くなることがあります。

例えばマウスピース矯正では、装置の厚みによって奥歯が沈み込みやすくなり、上下の噛み合わせがずれることがあります。

また、ワイヤー矯正でも歯の高さや位置が変化すると、噛み合わせに違和感が生じることも。

こうしたトラブルを防ぐためには、見た目の改善だけでなく、噛む機能や顎の動きまで考慮した治療計画を立てることが重要です。

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⑦治療後に歯並びが戻った

矯正後に歯並びが戻ってしまうのもよく起こる失敗です。原因はリテーナーの装着をしないことが挙げられます。

リテーナーとは、治療終了後から利用する「後戻り防止の装置」です。

このリテーナーを指示通りに使わないと、矯正で移動した歯の位置から変化してしまい、後戻りしてしまうのです。

矯正後も油断せず、リテーナーを装着する習慣を身に着け、歯並びを戻さないようにしましょう。

歯列矯正が失敗する8の原因

すきっ歯 イケメン3

歯列矯正の失敗には、医師のミスや杜撰な治療計画だけでなく、矯正中の口腔ケア不足や不適切な治療方針、患者自身が装置を使用する際のルールを守らないなど、さまざまな要因が関係しています。

ここでは、治療効果を損なったり、仕上がりに満足できなくなったりする代表的な8つの原因を解説します。

①虫歯・歯周病になった

矯正治療中に虫歯や歯周病になると、治療の中断や仕上がりの悪化につながります。

これは、装置によって歯磨きが難しくなり、汚れや細菌が溜まりやすくなることが主な原因です。

ワイヤー矯正ではブラケット周辺、マウスピース矯正では長時間の装着による唾液の減少が、口腔環境の悪化を招きます。

そのため、矯正中は普段以上に丁寧な歯磨きや定期的な歯科検診を行い、虫歯や歯周病を予防することが欠かせません。

②不適切な非抜歯矯正をした

不適切な非抜歯矯正は、治療後の見た目や機能に悪影響を及ぼします。

本来は抜歯してスペースを確保すべき症例で無理に非抜歯矯正を行うと、歯が並びきらずに前方へ傾き、口元が突出してしまうことがあります。

また、上下の噛み合わせが合わなくなり、口が閉じにくくなることも。

こうした失敗を防ぐためには、抜歯・非抜歯それぞれのメリットとリスクを理解し、症例に合った治療方針を医師と十分に相談することが重要です。

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③抜歯すべきでない箇所を抜歯した

抜歯すべきでない歯を誤って抜くと、噛み合わせや歯並びのバランスが大きく崩れます。

例えば、本来は残すべき犬歯や噛み合わせの要となる歯を抜いてしまうと、噛む機能の低下や口元の形の変化につながります。

また、抜歯部位によってはスペースのコントロールが難しくなり、治療後に隙間や歯列の乱れが残ることも少なくありません。

そのため、抜歯の判断が出た場合は、その理由や影響を十分に確認し、必要であれば別の医師の意見も聞くことが大切です。

④研磨をしすぎた

歯の研磨をしすぎると、歯の健康や見た目に悪影響を及ぼします。

研磨は歯の表面をわずかに削ってスペースを確保する方法ですが、必要以上に削るとエナメル質が薄くなり、知覚過敏や虫歯のリスクが高まります。

また、削りすぎた部分が目立ち、審美性を損なうこともあります。

適切な研磨量は症例によって異なるため、事前に削る目的や範囲を説明してもらい、過剰な処置にならないよう確認することが重要です。

⑤シミュレーションの確認が不足していた

シミュレーションの確認不足は、治療後の仕上がりに対する不満やトラブルの原因になります。

矯正では、治療前に歯の動きや最終的な歯並びをシミュレーションで確認しますが、この段階で細部までチェックしないと、「想像していた形と違う」「噛み合わせが合わない」といった結果になりかねません。

納得のいく仕上がりを得るためには、事前シミュレーションをしっかり確認し、不明点や気になる点をその場で質問して解決しておくことが大切です。

矯正シミュレーション
矯正 失敗 CTA①

⑥矯正中の悩みや不安をドクターに相談できなかった

矯正中の悩みや不安を医師に相談できないと、問題が悪化したまま治療が進んでしまう恐れがあります。

例えば、痛みや違和感、装置の不具合などを放置すると、噛み合わせや歯の移動に影響して最終的な仕上がりにも悪影響が出ることも。

また、不安を抱えたままでは治療へのモチベーションも下がりやすくなるでしょう。

安心して治療を受けるためには、質問や相談がしやすい環境のあるクリニックを選び、気になることは早めに伝えることが重要です。

⑦治療を途中でやめた

治療を途中でやめてしまうと、歯並びが中途半端な状態で止まり、かえって見た目や噛み合わせの悪化を招きます。

矯正は歯をゆっくり移動させる治療のため、途中で中断すると移動中の歯が不安定になり、あっという間に元の位置に戻ってしまいます。

さらに、再開する場合には追加費用や治療期間の延長が必要になることも。

こうしたリスクを避けるためにも、治療計画や期間を事前にしっかり把握し、最後までやり遂げられる環境を整えることが大切です。

⑧リテーナーの装着時間を守らなかった

リテーナーの装着時間を守らないのも、歯科矯正が失敗の原因の一つです。

矯正治療で動かした歯は、周囲の骨や歯茎が安定するまで時間がかかるため、その間にリテーナーを装着する保定期間を設けます。

しかし、さまざまな理由でリテーナーの装着時間を守らないと、少しずつ位置がずれ、最終的には矯正前の位置に戻る「後戻り」が起こります。

後戻りが進むと、追加治療が必要になったり、最悪の場合は再治療が必要になることもしばしばです。

治療後の歯並びを長く維持するためには、指示された装着時間を守り、リテーナーのケアも怠らないことが重要です。

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歯列矯正の失敗を防ぐ方法

歯列矯正の失敗を防ぐ方法

理想の歯並びに向けてスタートした歯科矯正の失敗を防ぐには、いくつかの工夫が必要です。

ここからは、歯列矯正の失敗を防ぐためにできることを解説していきます。

歯列矯正に関する知識を身につける

歯列矯正に関する知識を身につけることは、失敗を防ぐ第一歩です。

治療の流れや方法、装置の種類、それぞれのメリット・デメリットを理解していないと、誤った選択をして後悔する可能性があります。

また、正しい知識があれば、医師の説明をより深く理解でき、疑問や不安も解消しやすくなります。

納得のいく結果を得るためには、事前に信頼できる情報源で調べたり、複数のクリニックで話を聞いたりして、自分に合った治療法を選べる知識を備えておくことが大切です。

不安・疑問をあらかじめ解決する

矯正治療を始める前に、不安や疑問を解決しておくことは失敗を防ぐうえで欠かせません。

治療中に「こんなはずじゃなかった」と感じる原因の多くは、事前の説明不足や確認不足によるものです。

費用や期間、仕上がりのイメージ、リスクなど、気になることは納得できるまで質問し、理解してから治療を始めることが重要です。

また、不安を残したままでは治療へのモチベーションも下がりやすいため、カウンセリングの段階で積極的に医師とコミュニケーションをとりましょう。

自分にとって適切な矯正方法を選ぶ

自分に合った矯正方法を選ぶことは、治療の成功に直結します。

症例によって適した治療法は異なり、誤った方法を選ぶと十分な効果が得られなかったり、見た目や噛み合わせに不具合が残ったりすることにつながります。

最適な方法を選ぶためには、自分の歯並びや生活習慣、予算などを考慮したうえで判断することが大切です。

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実績や技術のあるドクターを選ぶ

実績や技術のあるドクターを選ぶことは、矯正治療の仕上がりを左右します。

経験が豊富なドクターは、症例ごとの最適な治療計画を立てられるだけでなく、治療中に起こる予期せぬトラブルにも柔軟に対応できます。

クリニックを選ぶ際は、症例写真や患者の口コミ、資格や経歴などを参考にし、安心して任せられるドクターかを見極めることが重要です。

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デンタルケアを行う

矯正治療を成功させるには、日常的なデンタルケアを欠かさないことが不可欠です。

矯正中は装置の影響で汚れが溜まりやすく、虫歯や歯周病のリスクが高まります。

仮にこれらのトラブルが起こると治療を中断せざるを得ず、仕上がりや治療期間に悪影響を及ぼしかねません。

毎日の丁寧な歯磨きに加え、デンタルフロスや歯間ブラシの活用、必要であれば定期的なクリーニングを行うことで、健康な口腔環境を維持し、予定通りの治療完了につなげましょう。

歯列矯正で失敗しない歯科の選び方は?

もし歯列矯正で失敗したら

万が一「歯列矯正に失敗してしまった」となった場合、どうすればいいのでしょうか。具体的な対処法としては以下の3つが考えられます。

セカンドオピニオンを受ける

矯正治療の結果に納得できない場合や不安がある場合は、セカンドオピニオンを受けることが有効です。

別の医師に診てもらうことで、現在の治療方針や仕上がりについて客観的な意見を得られ、改善の可能性や別の選択肢が見えてくることがあります。

矯正治療には大きな決断がつきものです。

納得できる治療を受けるためにも、信頼できる医療機関で複数の意見を聞き、最善の方法を選びましょう。

再治療できるかどうか相談する

矯正治療の仕上がりに不満がある場合は、再治療が可能かどうかをまず医師に相談しましょう。

歯や歯茎、顎の状態によっては再治療が難しいケースもありますが、方法や装置を変えることで改善できる場合もあります。

その場合、再治療には追加費用や期間がかかるため、その負担やメリット・デメリットをしっかり把握して判断することが大切です。

納得のいく結果を得るためには、現状の問題点と改善策を明確にし、一つ一つのステップを確認しながら治療を進めましょう。

失敗しないために!まずは歯科医師に相談しよう

カウンセリング

歯列矯正は、見た目や噛み合わせを改善できる一方で、治療方法や進め方を誤ると後悔につながるリスクもあります。

今回ご紹介した失敗事例や原因、そして防ぐためのポイントを知っておくことで、理想の歯並びに近づく可能性が高まります。

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矯正を始めるか迷っている段階でも構いません。まずはお気軽に無料診断にお越しください。

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