矯正の痛みで眠れない夜のSOS!原因と知っておきたい4つの対処法・予防策

「矯正をはじめたけど歯が痛くて眠れない」
「矯正装置の違和感に慣れない」
いずれも歯科矯正を開始したばかりの頃に聞く悩みです。
矯正装置は一見小さいですが、口の中に入れると意外に大きく感じるものです。また、慣れるまでは痛みで眠れないこともあります。そこで本記事では、口の中に矯正装置が入ることで睡眠の質に影響が出るのか、矯正中寝れないほど痛いときはどうしたらいいのかを解説していきます。
この記事を読めば、矯正中の痛みをやわらげられ、睡眠の質の向上につながりますよ。

古川雄亮
歯学博士。東北大学歯学部卒業。九州大学大学院歯学府博士課程(歯科矯正学専攻)修了。日本矯正歯科学会所属。歯医者お悩み.com管理人。直近の研究実績「カンボジアのHIV感染感児におけるCD4細胞数と口腔内衛生管理の関連性について(2019, Scientific Reports)」。代表記事「ボリビアにおける歯科医療の実態とは?」。
目次
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2006年の研究で睡眠中の矯正装置の装着有無が睡眠の質にどのような影響を与えるのかを実験して調べたものがあります。
▷参考記事: Impact of orthodontic appliances on sleep quality
3か月から12か月の間、矯正装置を装着した10歳から15歳の子どもの睡眠の質の良し悪しを目の動き(レム睡眠)などから評価しています。矯正装置を取り外して眠った際の睡眠の質と比較した所、矯正装置を装着してもしなくても、睡眠の質に顕著な変化は認 められないという結果になりました。
この研究で注意すべきことは、既に3ヶ月間も矯正装置を装着しているため、小さな子どもであっても慣れてしまうことが考えられます。慣れているからこそ、睡眠の質には変化が認められなかったのかもしれません。また、矯正装置の種類もヘッドギアや床矯正など、小児矯正で使用する装置であり、成人矯正とは異なります。大人が矯正装置を装着した直後に同様の実験を行うと睡眠の質に違いが出ると私は考察します。
矯正装置と睡眠の関係については、以下の動画でもドクターが解説しています。あわせて参考にしてくださいね。
そもそも歯科矯正で痛みや違和感が出るのはなぜでしょうか。ここではSNSの声も交えて、歯科矯正中の痛みについて紹介していきます。
歯が動いているから
矯正装置によって歯に力が加わると、歯は歯を支える歯槽骨を吸収しながら少しずつ移動します。この際、締めつけられるような圧迫感のある痛みが生じるのです。
たとえばワイヤー矯正の場合はワイヤー調整日に、マウスピース矯正の場合は新しいマウスピース交換時に、この「圧迫感のある痛み」が生じやすいです。
一般的に、ワイヤー調整から1週間程度、新しいマウスピースの交換から2〜3日程度で痛みはおさまると言われていますが、あまりにも痛みが長く続く場合はドクターに相談してみましょう。

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矯正装置で口腔内が傷つくから
ワイヤー矯正の場合、歯につけるブラケットによって口腔内が傷つくことがあります。またマウスピース矯正の場合も、マウスピースの縁の部分が尖っていることで口腔内に傷が つき、口内炎の原因になることも。
このような場合、矯正用ワックスを使用したり、マウスピースの縁をやすりで削ったりすることで、口腔内が傷つくのを防ぐことができます。いずれの場合もまずはクリニックのドクターに相談してみましょう。

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歯科矯正で眠れないほど痛いときは、以下の対処法を試してみてください。
痛み止めを飲む
クリニックで処方された痛み止めを飲むのがベストですが、普段飲み慣れている痛み止めでも構いません。飲んで様子をみてみましょう。ただし、痛み止めの種類によっては歯の動きを抑制するものもあるため、事前にドクターに確認しておくことをおすすめします。

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矯正用ワックスを使用する

ワイヤー矯正の場合、ブラケットやワイヤーが頬の粘膜や舌にあたることで痛みが生じることがあります。このような場合は、矯正用ワックスでブラケットやワイヤーを保護しましょう。
矯正用ワックスの使い方は、お口と手を清潔な状態にした後、ワックスを小さく丸めてブラケットやワイヤーに押しつけます。矯正用ワックスはクリニックで購入できるので、ワイヤー矯正を行う方は1つ持っておくと便利です。