デンタルフロスの正しい使い方|頻度は1日3回がベスト?効果高めるコツも

歯と歯の間は歯ブラシが届きにくいため、しっかり汚れを落としたい場合はデンタルフロスの使用が効果的です。
しかし、正しい使い方が理解できていないと、せっかくデンタルフロスを使用しても汚れは落とし切れません。
この記事では、ロールタイプ・ホルダータイプ別に、デンタルフロスの使い方を詳しく解説します。
「デンタルフロスを買ってみたけど、正しい使い方がわからない」
「デンタルフロスを使っているのに歯石や虫歯ができやすい」
という方は、ぜひ参考にしてください。

木村真由美
Oh my teethでのマウスピース矯正を経て、2021年6月に株式会社Oh my teethにジョイン。マウスピース矯正経験者としてOh my teethのオウンドメディア「歯科矯正ブログ」にて記事を更新中。ミッションは「歯並びに悩むすべての方に歯科矯正の確かな情報をお届けすること」。
目次
- デンタルフロスの種類
- 【すべての歯におすすめ】ロールタイプ
- 【奥歯におすすめ】ホルダータイプ(Y字型)
- 【前歯におすすめ】ホルダータイプ(F字型)
- デンタルフロスの正しい使い方
- ロールタイプのデンタルフロスの使い方
- ホルダータイプのデンタルフロスの使い方
- デンタルフロスの効果を高めるコツ
- 1日1回はデンタルフロスを使用する
- デンタルフロスをゆっくり丁寧に動かす
- 歯ブラシが届きにくい部分を集中的に掃除する
- デンタルフロスを使うときの注意点
- デンタルフロスの使い方に関するよくある質問(FAQ)
- デンタルフロスを使うタイミングはいつ?
- 歯磨きが先?デンタルフロスを使う順番は?
- デンタルフロスの使用頻度は?1日3回やるべき?
- 歯茎から出血があってもデンタルフロスを使い続けていい?
- デンタルフロスが歯に引っかかるときはどうしたらいい?
- デンタルフロスの交換時期は?
- デンタルフロスと歯間ブラシはどう使い分けたらいい?
- デンタルフロスの使い方を覚えて歯垢をしっかり除去しよう


デンタルフロスは「ロールタイプ」と「ホルダータイプ」の2種類に大きく分けられます。
ロールタイプ:糸を指に巻きつけて使うタイプ
ホルダータイプ:持ち手部分を動かして使うタイプ
また、ホルダータイプはさらに形状ごとに、「Y字型」と「F字型」に分けられます。ここではそれぞれの特徴やメリット・デメリットを解説します。
【すべての歯におすすめ】ロールタイプ
ロールタイプは40〜50mほどの長い糸がロール状になっているタイプで、必要な分だけ糸を切り取り、左右の指に巻きつけて使用します。
指で糸の角度や長さを細かく調整できるため、歯茎の奥までしっかり挿し込んで汚れを落とせるのが大きなメリットです。
また、常に糸のきれいな部分を使って歯の汚れを落とせるため、衛生面も優れています。
一方、ロールタイプは取り扱いがやや難しく、慣れるまで時間がかかりやすいことがデメリットとして挙げられます。
慣れてしまえば前歯から奥歯までしっかり汚れが落とせますが、デンタルフロス初心者は使いにくいと感じることが多いでしょう。
【奥歯におすすめ】ホルダータイプ(Y字型)
ホルダータイプはY字型・F字型ともに持ち手があり、歯ブラシと同じ要領で使えるのが大きな特徴です。
Y字型のホルダータイプは、持ち手に対して糸が垂直に張られており、奥歯の清掃にとくに適しています。
ホルダータイプはデンタルフロス初心者でも扱いやすいメリットがある一方、1回の清掃で何度も同じ部分を使うため、ロールタイプより衛生面で劣ることがデメリットとして挙げられます。
1箇所の汚れを落とすたびに糸を水洗いすれば問題ありませんが、毎回となるとそれを面倒に感じることもあるでしょう。
【前歯におすすめ】ホルダータイプ(F字型)
F字型のホルダータイプは、持ち手に対して平行に糸が張られており、前歯の清掃に適しているのが特徴です。
メリット・デメリットはY字型のデンタルフロスとほぼ同じですが、清掃しやすい箇所はそれぞれ異なるため、ホルダータイプを使用する場合はY字型とF字型を使い分けるのがおすすめです。

デンタルフロスはロールタイプとホルダータイプで使い方が若干異なります。
ロールタイプのデンタルフロスの使い方
使用する分の糸を切り取る(40センチ程度が目安)
糸を左右の中指に巻きつける
左右の親指と人差し指で糸を持ち、長さが1〜2センチになるように調整する
糸をピンと張り、歯と歯の間に当てる
スライドしながら糸を歯茎のほうへ移動する
奥側の歯に糸を当て、上下に動かす
手前側の歯に糸を当て、上下に動かす
スライドしながら糸を取り出す
糸を巻き直し、指と指の間の糸を新しくする
4~9の動作を繰り返し行う
ホルダータイプのデンタルフロスの使い方
ホルダーの柄の部分を持ち、歯と歯の間に糸を当てる
スライドしながら糸を歯茎のほうへ移動する
奥側の歯に糸を当て、上下に動かす
手前側の歯に糸を当て、上下に動かす
スライドしながら糸を取り出す
糸についた汚れを水で洗い流す
1~6の動作を繰り返し行う
デンタルフロスの正しい使い方に関しては、厚生労働省のe-ヘルスネットや、各企業のサイトに掲載されている解説動画でも確認できます。
デンタルフロスの正しい使い方を覚えたい方は、そのような動画もぜひ活用してみましょう。

「デンタルフロスを使っているのに歯石や虫歯ができやすい」という人は、デンタルフロスの使用頻度や動かし方に問題があるかもしれません。
デンタルフロスの効果がいまいち感じられない場合は、以下のポイントも意識してみましょう。
1日1回はデンタルフロスを使用する
歯ブラシで落とし切れなかった歯垢(プラーク)は、約48時間で固まりはじめ、時間が経つほど除去しにくくなります。
そのため、最低でも1日1回はデンタルフロスを使用するのがおすすめです。歯と歯の間はとくに歯ブラシが届きにくい箇所なので、デンタルフロスでこまめに汚れを取り除きましょう。
デンタルフロスをゆっくり丁寧に動かす
デンタルフロスを使うときは、鏡を見ながら位置を確認し、デンタルフロスをゆっくり丁寧に動かすと汚れをこそげ落とせます。
使いはじめは時間がかかりますが、慣れてくると数分でフロッシングを終えられるようになります。
歯ブラシが届きにくい部分を集中的に掃除する
デンタルフロスの効果が発揮されるのは以下の箇所です。
歯と歯の間
歯と歯茎の境目(歯肉溝)
歯と歯が重なり合う部分
このような箇所は歯ブラシが届きにくく、歯垢が残りやすいため、デンタルフロスを使った清掃が欠かせません。
一方、歯の表面や歯と歯の広い隙間はデンタルフロスの効率が落ちるため、歯ブラシや歯間ブラシを使ったほうがいい場合もあります。
一番の理想は、歯ブラシ・デンタルフロス・歯間ブラシを併用することです。それぞれの箇所に適したケアアイテムを使用することで、より効果的に歯垢を除去できます。

デンタルフロスを歯と歯茎の境目に無理やり挿したり、勢いよく歯と歯の間に入れたりすると、歯茎が傷ついてしまうことがあります。
そのため、デンタルフロスを使うときは力加減に注意することが大切です。
また、鏡を見ながらデンタルフロスを使うと、歯と歯茎の境目などをしっかり確認しながら清掃できます。
もしデンタルフロスの使い方に自信がない場合は、歯科クリニックで指導を受けるのもおすすめです。
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最後に、デンタルフロスの使い方に関してよくある質問を紹介します。
デンタルフロスを使うタイミングはいつ?
デンタルフロスは歯垢を除去するためのアイテムなので、基本的には毎食後に使うのが理想的です。
もし毎食後にデンタルフロスを使うのが難しい場合は、就寝前に使用することを心掛けましょう。なぜなら、就寝中は口の中が乾きやすく、細菌が繁殖しやすくなるからです。
歯磨きが先?デンタルフロスを使う順番は?
デンタルフロスを使う順番に関しては諸説ありますが、米国歯周病学会の研究では、歯磨きの前にデンタルフロスを使うとより効果的に歯垢を除去できると報告されています。
必ずしもデンタルフロスを先に使わなければいけないわけではありませんが、歯石や虫歯ができやすい人は、歯磨きの前にデンタルフロスを使ったほうが効果を期待できるでしょう。
デンタルフロスの使用頻度は?1日3回やるべき?
デンタルフロスは毎食後に使うのが理想的とされているため、1日3回歯磨きをする場合は、それに合わせてデンタルフロスも1日3回使用するのが好ましいです。
ただ、プラークコントロール(歯垢を除去し、口腔内を清潔に保つこと)の観点から言えば、回数よりも毎日続けることが大切です。
歯茎から出血があってもデンタルフロスを使い続けていい?
多少の出血であれば、そのままデンタルフロスを使い続けてもとくに問題はありません。
ただし、長 期間にわたり出血が続いたり、痛みを感じたりする場合は、歯茎に炎症や異常が起こっている可能性があります。
症状が続く場合は歯科クリニックを受診しましょう。
デンタルフロスが歯に引っかかるときはどうしたらいい?
デンタルフロスが歯に引っかかったときは、歯や歯茎にダメージを与えないよう、ゆっくりと抜きましょう。
ロールタイプの場合は、片方の指から糸を外し、外側に糸を引き抜く方法もあります。
いつも同じところでデンタルフロスが引っかかる場合は、虫歯ができている、あるいは詰め物が取れかかっている可能性が高いです。そのまま放置せず、速やかに歯科クリニックを受診しましょう。
デンタルフロスの交換時期は?
デンタルフロスには、使い捨てタイプと繰り返し使えるタイプがあります。
使い捨てタイプは毎回新しいものに交換して使用しますが、繰り返し使えるタイプの交換頻度は商品により異なります。
同じデンタルフロスを使い続けていると、不衛生なだけでなく、糸の劣化によって歯垢除去効果が低下します。交換時期についての記載がない商品に関しては、1週間〜10日を目途に交換するといいでしょう。
デンタルフロスと歯間ブラシはどう使い分けたらいい?
デンタルフロスは歯と 歯の間の狭い部分、歯間ブラシは広い部分の清掃に適しています。
歯と歯の隙間は人によって異なるため、デンタルフロスと歯間ブラシを使い分ける場合は自身の歯の状況を知っておくことが大切です。
どこに何を使えばいいのかわからない場合は、歯科クリニックへ相談しましょう。
日本歯周病学会会誌によると、歯ブラシのみの歯垢除去率は約60%ですが、デンタルフロスを併用した場合、歯垢除去率は86%にまで向上すると報告されています。
デンタルフロスは歯垢の除去につながり、口腔内の衛生環境を保つのに役立ちます。しかし、使い方によっては歯垢が残ってしまったり、歯茎を傷めたりすることがあるため、正しい使い方を覚えて適切に使用しましょう。
また、歯並びが悪いと、デンタルフロスを正しく使っても、汚れをしっかり落とし切れないことがあります。
「実は、昔から歯並びのズレが気になっている」という方は、これを機に歯科矯正を検討してみてはいかがでしょうか。
マウスピース矯正 Oh my teethでは、矯正の初回カウンセリング・精密検査・診断がすべて無料で受けられます。
「デンタルフロスを正しく使っているのに、歯石や虫歯ができやすい」という方は、歯並びが原因かもしれません。症状が改善されない場合は、ぜひお気軽に無料診断へお越しください。
