昔よりも前歯が出てきたのはなぜ?原因や治す方法を解説
「最近なんだか歯が前に出てきた気がする」
「私ってこんなに出っ歯だったっけ?」
こう悩んでいませんか?
実は歯は一生動き続けるため、年齢とともに前歯が出てくることもあります。
本記事では前歯がだんだん出てくる原因や治す方法、放置するリスク、予防法を解説します。
歯並びは歯ぎしりや食いしばり、舌の癖などの日々の習慣、加齢による顎の骨の減少といった原因で変化するので「いつの間にか前歯が出てきた」ということも起こり得る
前歯が出てくるのを治す方法には、歯科矯正、セラミック矯正、歯周病治療がある
前歯が出てくるのを予防する方法には歯ぎしり対策のマウスピースの使用、虫歯治療や補綴(ほてつ)治療、親知らずの抜歯などがある
目次
- 年を取ると前歯が出てくるって本当?
- だんだん前歯が出てくる7つの原因
- 歯ぎしり・食いしばり
- 舌の癖
- 歯周病の進行
- 虫歯・治療中の歯の放置
- 親知らずの影響
- 後戻り
- 指しゃぶり・爪噛みなどの癖
- 前歯が出てきたのを放置するリスク
- 虫歯・歯周病になりやすい
- 口臭リスクが高まる
- 胃腸に負担がかかる
- 発音しにくくなる
- コンプレックスにつながる
- 前歯が出てきたのを治す方法
- 矯正治療を受ける
- セラミック矯正
- 歯周病治療を受ける
- 前歯が出てくるのを予防する方法
- マウスピース(ナイトガード)を使用する
- 食いしばりに注意する
- 舌の位置に気をつける
- 虫歯治療を最後まで受ける
- トラブル発生時に適切な治療を受ける
- 親知らずを抜く
- 指しゃぶりや爪噛みなどの癖をなくす
- 前歯が出てきたのを自力で治すことはできる?
- 比較的気軽に矯正治療を受ける方法
- 部分矯正
- マウスピース矯正
- セラミック矯正
- まずは相談に行ってみよう

大人になってからでも、歯は以下のような原因で動いてしまいます。
日々の習慣(歯ぎしり・食いしばり・舌の癖)
加齢による噛み合わせの変化
加齢による顎の骨の減少
そのため何もせずにずっと同じ歯並びでいることは不可能です。
例えば年齢とともに出っ歯とすきっ歯が進行する現象を「フレアーアウト」と言います。フレアスカートが開くように、前歯同士の隙間が空いて前にも出てくるイメージです。
フレアーアウトは痛みなどもなくゆっくり進行するため、「気がついたら前歯が出ていた」となりやすいです。
この記事をお読みのあなたも、最近の自分自身の歯並びの変化に不安があるのかもしれません。

徐々に前歯が出てくる原因としては、歯ぎしりや食いしばり、舌の癖などの日々の習慣のほか、歯周病や虫歯の放置、親知らずの影響などがあります。
歯ぎしり・食いしばり
舌の癖
歯周病の進行
虫歯の放置
親知らずの影響
後戻り
指しゃぶり・爪噛みなどの癖
歯ぎしり・食いしばり
歯ぎしりをしたり、歯を食いしばったりすると、体重の2〜5倍の力がかかると言われています。「時には300kgの力になる」と言われるほどです。
そんな大きな力が継続して加わると、歯の根に負担がかかり、根っこが溶けてしまったり、根っこの向きが変わってしまったりすることがあります。
そもそも歯の根は「歯槽骨」に支えられています。そして歯槽骨と歯の根の間には、歯に加わる衝撃を和らげるクッションのような役割を担う「歯根膜」という組織が存在します。

歯根膜は常に一定の厚みを保つ性質がありますが、これは歯ぎしりや食いしばりなどによって歯が動いてしまう原因でもあります。
歯に持続的に力が加わると、力が加わっている方向の歯根膜は縮み、反対側の歯根膜は引っ張られて伸びます。力が加わっている方向には骨を溶かす細胞ができ、スペースが生まれます。
できたスペースの方向に、歯は少しずつ動いていきます。そして移動した後には新しい骨が生まれ、隙間が埋められます。

歯科矯正治療は、このような歯周組織の働き(代謝)を利用して行うものです。ただし歯ぎしりなどで継続的に力が加わることによっても、歯は動いてしまいます。
舌の癖
例えば以下のような舌癖がある場合、歯に力が加わり歯並びが乱れてしまう原因になります。
食べ物を飲み込むときに前歯の裏を押してしまう
舌を前歯で挟んでしまう
矯正治療を行う場合も、舌癖があると治療がスムーズに進まない原因になります。治療を完了しても、上記のような舌の癖によって後戻りしやすいリスクもあります。
歯周病の進行

歯周病は歯を支える歯槽骨を溶かしてしまう病気です。歯槽骨が溶けると歯のバランスが崩れ、歯並びが悪化してしまう原因に。
先述した「フレアーアウト」も、歯周病の進行とともに起きやすい現象です。
フレアーアウトが進行していても、歯周病を治療することで歯の移動は止まりますので、歯周病のケアは常に続けることが大切です。
また、歯周病が進行すると、最悪歯が抜け落ちてしまいます。
歯が抜けたまま放置すると空いたスペースに歯が倒れ込んできて、こちらも歯並びが乱れる原因に。
歯茎からの出血、歯のグラ つきがある場合はなるべく早く歯科医院で診てもらいましょう。
虫歯・治療中の歯の放置
虫歯を放置していると神経まで進行し、最悪抜歯しなければなりません。
また、「治療中だったけど通院が面倒になって途中でやめてしまった」という場合も要注意。治療を完全に終えていないまま放置すると、歯への負担が大きくなるからです。
例えば根っこの治療中だった場合、根っこの内部がどんどん汚染され抜歯しなければならなくなることがあります。
また、被せものを作る途中だった場合も、仮ぶたの状態で放置することになる ので虫歯になりやすく、さらに放置すると抜歯するしかない状態になることもあります。
虫歯を放置した結果抜歯になり、抜歯した箇所をそのままにすると、歯並びが乱れる原因になります。
親知らずの影響

「大人になってから徐々に前歯が出てきた」「歯並びが乱れてきた」という場合、親知らずの影響も考えなくてはなりません。
親知らずが横向きに生え、手前の歯を押すことで、歯列のバランスを崩す原因になるからです。
ただし親知らずが必ずしも歯並びに悪影響を与えるとも言えません。
親知らずでも、真っ直ぐ生えていて(または真っ直ぐ生えてくる見込みで)、歯列のバランスを崩す原因になっていないこともあるからです。
このような場合、むしろ親知らずを保存しておいた方が、将来他の歯を失ってしまった場合に活用できることがあります。
後戻り
過去に矯正をしていて、その後戻りのため前歯が出てくることもあります。
矯正治療できれいに歯並びが並んでも再び歯が動くリスクがあるため、保定装置を装着して歯列の固定を行わなければなりません。
保定期間には個人差もありますが、基本的に矯正治療にかかった期間は保定装置を毎日20時間以上装着しなければなりません。
またその後も「就寝時は装着する」など、なるべく保定装置の装着を継続することが大切です。
保定装置を装着しないと、きれいに並んだ歯並びが再び動き、前歯が出てきたり、ガタガタになったりする原因になります。
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指しゃぶり・爪噛みなどの癖

「ずっと指しゃぶりをしていると出っ歯になってしまう」と耳にしたことはありませんか?
お子さんが行うことが多い指しゃぶりや爪噛みなどの癖も、以下のような仕組みで歯が動いてしまう原因になります。
指しゃぶり:吸う力によって上顎の歯列が狭くなる原因に。その結果上顎と下顎の歯がうまく噛み合わなくなり、出っ歯になったり、開咬(奥歯で噛み合わせると上下前歯の間に隙間ができる状態)になったりするケースがあります。
爪噛み:固い爪を噛むことで、前歯の先端がすり減る原因に。また歯や歯茎に負担がかかり、歯の根が短くなるなどのリスクもあります。

前歯が出てきたのを放置すると、虫歯や歯周病リスクが高まったり、胃腸に負担がかかったり、見た目のコンプレックスにつながったりします。
虫歯・歯周病になりやすい
前歯が出てきた結果、歯列の段差が大きくなると、そこに汚れが溜まりやすくなります。
セルフケアでは汚れを十分に落としにくくなり、虫歯・歯周病リスクが高まります。
口臭リスクが高まる

歯列の段差が大きくなることで汚れが溜まりやすくなると、その汚れをエサに口臭の原因菌も増えてしまいます。
また前歯が出ることで口が閉じにくくなると、唾液の自浄作用が働きにくくなり、口臭リスクが高まります。
胃腸に負担がかかる
前歯は食事の際、食べ物を噛み切る役割を果たしています。
前歯が出てくると上下の前歯がうまく噛み合わなくなり、食べ物をうまく噛みきれなくなります。
その結果食べ物を十分に咀嚼する前に飲み込むのが癖になり、胃腸への負担が大きくなる原因になります。
発音しにくくなる
前歯が前に出て、さらに前歯同士の隙間が広くなると、その隙間から息漏れしやすくなります。
その結果発音がはっきりできなくなることがあります。
コンプレックスにつながる

前歯が出てきたことが見た目のコンプレックスにつながることがあります。
口元を手で隠しがちになったり、人前でうまく笑えなくなったりします。

歯並びが悪い原因は?│リスク・治療法を解説
前歯が出てきたのを治す方法には、矯正治療・セラミック矯正・歯周病治療があります。
矯正治療を受ける

矯正治療とは、 歯にブラケット、ワイヤーと呼ばれる装置を装着したり、透明のマウスピース型の装置を装着したりすることで歯に適切な力を加え、歯列をきれいに整える方法です。
前歯が出ている度合いにもよりますが、抜歯してスペースを作ってから出ている歯を後ろへ下げたり、抜歯をしない代わりに歯の表面を少しずつ削ることでスペースを作り、歯並びを改善したりします。
矯正治療は少しずつ歯を移動させていく方法なので、一般的に1〜3年程度かかります。
一方、前歯のみを移動させる方法(部分矯正)に適応すると、数ヶ月〜1年程度で治療を終えられるケースもあります。
矯正治療の種類ごとの治療期間・費用の目安に関しては、後ほど詳しく紹介 します。

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セラミック矯正

セラミック矯正とは、歯を削ってセラミッククラウンを被せて歯並びの見た目を改善 する方法です。
名前に「矯正」とついていますが、歯を動かす矯正治療とは異なり、虫歯治療の際に歯を削って被せ物をするのと同じ「補綴(ほてつ)治療」に分類されます。
セラミック矯正は歯を移動させる期間が不要なので、矯正治療よりも短期間で歯並びの乱れを改善できるメリットがあります。
ただし健康な歯を削らなければならない点や、前歯の出方によっては抜髄(歯の神経をとる処置)が必要だったり、土台の歯への負担が大きい処置になったりする点には注意が必要です。
歯周病治療を受ける
