口ゴボとは?原因・治し方・費用まとめ|自力NGの理由も徹底解説!

ふと撮られた横顔が気になったことはありませんか?
口元が前に出て見える「口ゴボ」は、原因や治し方が人によって異なります。
中には「マッサージで治せる」といった情報もありますが、誤った対処は悪化のリスクも。
この記事では、セルフチェックの方法や主な原因、放置による影響、治療法の違いを歯科医師監修で解説します。
「自分も口ゴボかも?」と気になる方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次
- 口ゴボとは?特徴とセルフチェック
- すぐにできるセルフチェック方法
- 出っ歯・受け口との違い
- 【歯並びはいいのに口ゴボ⁉】口ゴボの4つの原因
- ①骨格
- ②歯の生え方
- ③唇や皮膚が分厚い
- ④アデノイド肥大
- ネット上の「口ゴボを自力で治す方法」に要注意
- ①口周りのマッサージ|むくみ解消にはOKでも根本改善はできない
- ②舌回しトレーニング|口周りの筋トレにはなるが口ゴボ改善はできない
- ③前歯を押す・壁に顔をつける|歯並びや顎に悪影響のリスクあり
- ④セルフ骨格矯正|絶対NG!専門知識のない力加減は危険
- 【原因別】口ゴボの治し方と費用・期間の目安
- ①マウスピース矯正:歯並びが原因で軽度の口ゴボの場合
- ②ワイヤー矯正:歯並びが原因で中度〜重度の口ゴボの場合
- ③セラミッククラウン:歯並びが原因で重度の口ゴボの場合
- ④外科的矯正治療:骨格が原因の口ゴボの場合
- ⑤美容整形:唇や皮膚の分厚さ、アデノイド肥大が原因の口ゴボの場合
- 口ゴボを放置するとどうなる?見た目と健康のリスク
- 老けて見える・ほうれい線が目立つ
- 虫歯・歯周病リスクが高い
- 口臭リスクが高い
- 歯が着色しやすい
- 風 邪を引きやすい
- あなたの口ゴボに適切な治療方法は?
- 口ゴボに関するよくある質問(FAQ)

口ゴボとは、横から見ると口元が盛り上がった状態のことです。
正面から見たときの歯並びが良くても、横から見たら口元が前に出てることもあるので、口ゴボかどうかを判断するには横顔をチェックする必要があります。
すぐにできるセルフチェック方法

口ゴボかどうかチェックするには、人差し指を鼻先と顎先に当ててみましょう。
人 差し指を鼻先と顎先に当てたときに、口元が人差し指で押し潰される場合は口ゴボの可能性があります。
上記の左のイラストのようにEライン(人差し指のライン)の内側、もしくはライン上に口先がある状態が美しい横顔だとされています。横顔を写真で撮ってみるとチェックしやすいでしょう。
ほかにも、下記のどれかに当てはまる方は口ゴボの可能性が疑われます。
口が閉じにくい
口を閉じたときに下顎に梅干しのようなシワができる
口を閉じたときに鼻の下が長い
口元が盛り上がっている
出っ歯・受け口との違い
「口ゴボ」とよく混同されやすいのが、「出っ歯」や「受け口」といった歯並びの問題です。
見た目が似ていても、それぞれ原因や状態は異なります。
種類 | 見た目の特徴 | 主な原因 |
---|---|---|
口ゴボ | 口元全体が前に出ている | 骨格・歯の傾き・唇の厚みなど |
出っ歯 | 上の前歯が前に出ている | 上顎や上の歯が突出/下顎が後退 |
受け口 | 下顎が前に出ている | 下顎の骨の発達が原因 |
口ゴボは、歯並びだけでなく骨格や筋肉のバランス、唇の厚みなど複数の要因が絡んでいるのが特徴です。
そのため、歯並びが整っている人 でも、口ゴボに見えることがあります。
自分がどのタイプに当てはまるのか判断が難しい場合は、歯科医院での専門的な診断がおすすめです。

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口ゴボの原因として広く知られているのは、出っ歯などの歯並びの乱れですが、口ゴボと言ってもさまざまな状態があり、なかには歯並びに問題がなくても口ゴボになっている場合もあります。
歯並びに問題がない口ゴボは歯科矯正では治らないので注意が必要です。
①骨格
遺伝や生まれつきの骨格、歯の大きさやバランスによって、口ゴボに見えてしまう場合があります。
口ゴボになりやすい例は、以下の通りです。
上顎が下顎よりも大きすぎる
下顎が上顎よりも小さすぎる
歯の大きさが顎に対して大きすぎる
顎全体が狭すぎる
このように、上下の顎のバランスが悪いと口ゴボに見えてしまう場合も。
上下の顎のアンバランスは幼少期からの顎の発達過程における口呼吸や指しゃぶりの癖が原因の場合があります。
②歯の生え方
歯並びに問題がなくても、歯の生え方で口ゴボに見えるケースもあります。
例えば「上顎前突」や「上下顎前突」などの場合です。
上顎前突:いわゆる出っ歯。前歯が大きく前方に出ている状態。
上下顎前突:上下の前歯が前に突き出している状態。
どちらもガタガタした歯並びよりも目立たず、軽度であるほど歯並びが良く見えやすいのが特徴です。
③唇や皮膚が分厚い
唇や鼻の下の皮膚が厚かったり薄かったりすると、口が前に突き出て見える原因となります。
ただし、唇や皮膚の厚みによって口ゴボに見えるかどうかは、顔のパーツとのバランスによるところが大きいです。
骨格や歯並びとは関係ないため、歯科矯正のみによる改善が難しい場合があります。
④アデノイド肥大
アデノイドとは、鼻の奥とのどの奥にある咽頭扁桃(いんとうへんとう)のことです。これはリンパ組織のかたまりで、そこが肥大化した状態をアデノイド肥大と言います。
アデノイド肥大になると、口元が突き出したり顎と首の境目がわかりにくくなる「アデノイド顔貌」が現れることがあり、横から見ると顎がないように見えてしまうのです。
また、鼻づまりやいびき、口呼吸など引き起こすこともあり、歯並びに影響を与えてしまうことがあります。

口ゴボを自力で治す方法はないにも関わらず、ネット上ではさまざまな口ゴボ改善方法が紹介されています。
実際にや ってみた人の「口周りがスッキリした!」「唇が楽に閉じられるようになった!」というコメントも見かけますが、口ゴボを根本的に改善したわけではないので一時的なものやむくみなどの表面的な変化がほとんどです。
自力でやるには危険な方法もあるので注意してください。
①口周りのマッサージ|むくみ解消にはOKでも根本改善はできない
口ゴボは唇を閉じるのに強い力が必要だったり、口呼吸でぽかんと口が開いていたり口周りの筋肉をうまく使えていない人が多いです。
そこで、指で鼻の下を押したり口周りをほぐすマッサージを行うことで、むくみが取れ口周りがすっきりすることがあります。
ただし、この方法で口ゴボが治ることはありません。
②舌回しトレーニング|口周りの筋トレにはなるが口ゴボ改善はできない
舌回しトレーニングとは、舌で唇をなぞったり、唇を閉じた状態で歯茎をなぞったりする方法です。
口周りの筋トレによってほうれい線が薄くなったり、滑舌が良くなったりする効果は期待できますが、口ゴボ自体を治すことはできません。
③前歯を押す・壁に顔をつける|歯並びや顎に悪影響のリスクあり
前 に出ている歯を壁や指で押し込む方法です。一見、出ている歯を引っ込める歯科矯正と同じように思えるかもしれません。
しかし歯科矯正では、歯科医師が精密検査を行った上で、歯を動かすスペースや速度、角度など個人に合った方法をミリ単位で計画します。また、歯を動かすためには断続的な力をかけ続けることが必要です。
マウスピース矯正では20時間以上、ワイヤー矯正では1日中弱い矯正力が歯にかかり続けています。こうして少しずつ歯が動いていくのです。
自力で20時間以上歯を押し続けることは、まず不可能ですよね。また押す力のばらつきや押す方向の間違いも考えられます。さらに、そもそも歯が引っ込むスペースがなければ、押しても意味がありません。
自力で歯を押して移動させる方法は、歯や歯茎、顎を傷めたり、歯が折れる危険性さえあります。
自己流のマッサージや トレーニングでは口ゴボの根本解決にはなりませんが、歯科矯正なら口ゴボの原因(出っ歯など)が改善して口元がスッキリ見えることがあります。
結果が出るかわからない自己流トレーニングを続けるよりも、まずは歯科医師にあなたの口ゴボの改善策を相談してみませんか?
④セルフ骨格矯正|絶対NG!専門知識のない力加減は危険
セルフ骨格矯正は、YouTubeなどの動画で簡単そうに紹介されていますが、自力で骨格矯正を行う場合は注意が必要です。
一般の人が自力で骨格矯正をする場合、骨格のつくりを意識した力加減や動かす方向などの知識が不足しています。
爪で皮膚を傷つけたり、顎関節症を引き起こしたり、また悪化させたりする危険があります。
口ゴボの原因は骨格だけでなく歯の傾きや遺伝、顎の大きさなどさまざまなことが組み合わさっています。セルフ骨格矯正だけで口ゴボが治すことは不可能です。
また、骨格矯正の市販グッズにも要注意。小顔効果やいびき防止の効果をうたっていますが、口ゴボを治すものではありません。

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口ゴボの治療法は、原因によって異なります。
口ゴボの主な原因別の治療法はこちらです。
歯並びが原因の場合:ワイヤー矯正、マウスピース矯正、セラミッククラウン
骨格が原因の場合:外科的矯正治療、美容整形
それぞれの治療法について詳しく見ていきましょう。